私自身チェロを弾いていて、楽器の製作や修理をしていると、おすすめの弦はありますかと聞かれる機会も多いです。
最近は素材もいろいろ、値段も幅広く様々な弦が販売されていて皆さん迷ってしまうのだと思います。
ほとんどの弦は外側の巻線が金属ですが、芯の材質は大まかに、
スチール(金属)
ナイロン(人工の繊維)
ガット(牛や羊の腸)
の3種類に分けられます。
近年チェロでよく使われている弦はほとんどがスチール素材、ナイロンやガットを試してみたけれど音が小さい、何となくぱっとしない、かさかさした音で使うのをやめてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このかさかさした感じの音の原因は、倍音が鳴っていないから。
近年はテンションを高くすることや弦の素材を変えることで音量や音色を求める傾向が強いのですが、駒をきっちりと理にかなった形にすると倍音が増え、広がりのあるとても豊かな音になる場合があります。倍音が多いと表現できる幅も広がるようです。
(12色の絵の具と、48色の絵の具の違いのようなものでしょうか・・・)
ドスンとした重い音を出すのは難しいですが、テンションに頼らないので楽器にも弾く人にも負荷がが少なくなります。
チェロではめずらしいですが、ドミナントはとても弾きやすく、ガット弦ほどではありませんが倍音も出しやすいと思います。そして何よりお財布にも優しい、笑
次回は具体的にどのように駒を調整するのかご紹介したいと思います。